飲食店を営業したり、食品を製造、加工販売(鮮魚介類、生肉など)するには、食品衛生法に基づく許可が必要となります。
食品衛生法第55条に基づき営業許可が必要な業種は、レストラン、寿司屋、スナック、バー等の飲食店、菓子類、そうざい類等の製造販売、食肉、魚介類等を加工販売する業態など32業種です。

許可を要する業種

許可を要する業種は、以下の32業種
・飲食店営業・調理の機能を有する自動販売機により食品を調理し、調理された食品を販売する営業・食肉販売業・魚介類販売業
・魚介類競り売り営業・集乳業・乳処理業・特別牛乳搾取処理業・食肉処理業・食品の放射線照射業・菓子製造業
・アイスクリーム類製造業・乳製品製造業・清涼飲料水製造業・食肉製品製造業・水産製品製造業・氷雪製造業・液卵製造業
・食用油脂製造業・みそ又は醤油製造業・酒類製造業・豆腐製造業・納豆製造業・麺類製造業・惣菜製造業
・複合型総菜製造業・冷凍食品製造業・複合型冷凍食品製造業・漬物製造業・密封包装食品製造業・食品の小分け業・添加物製造業 

 許可を受けるには、各業種ごとに定められた施設基準を満たしていなければなりません。 

営業許可申請の流れ

新規に営業許可を申請する手続きの流れは、おおよそ次のようになります。

①事前相談 ⇒ ②電子申請・窓口申請 ⇒ ③審査(書類審査・現地調査)⇒ ④許可

①事前相談

申請する営業の種類によって施設基準が定められています。
工事の着工前に店舗の図面を持参し、施設基準に合致しているか否かを、管轄の保健所に事前に相談することがお薦めです。

②電子申請・窓口申請

申請書は、紙ベースでの申請ならば保健所の窓口へ、電子申請ならば厚生労働省の食品衛生システムからの申請が可能です。
【申請に必要な書類】

  • 営業許可申請書
  • 施設の構造及び設備を示す図面
  • 食品衛生責任者の資格証
  • 水質検査成績書(※井戸水や貯水槽を使用する場合)
  • 施設の敷地の周囲概ね200メートルの区域内の見取り図
  • 登記事項証明書の写し(※法人の場合)
  • ふぐ処理を行う場合は、ふぐ処理師免許の写し
  • 事業譲渡に伴う申請の場合は、事業譲渡に関する確認書等
  • 申請手数料(申請業種によって異なります)は、窓口で現金納付要
  • 開店予定日の3週間前迄に申請手続きをおこなう。

③審査(書類審査・現地調査)

提出された申請書は、店舗が施設の基準に合致しているかを食品衛生監視員によって審査されます。補正事項があれば補正します。
次に、提出した申請書に基づいて食品衛生監視員が現地調査をおこないます。施設基準に適合しているかを提出図面と照合し、審査します。もしも、適合していない部分があれば、改善し再調査を受けます。

④許可証の発行

書類審査、現地調査の審査で基準に合格していれば、許可処分として「営業許可証」が発行されます。
営業許可証は、必ず店舗のよく見える場所に掲示するようにしましょう。
申請事項に変更(法人の場合の代表者の変更、個人の場合の申請者の住所変更、等)が発生した場合は、変更申請が必要です。
また、営業許可には、有効期限があります。継続営業する場合は、有効期限満了の3週間前までに許可とほぼ同様の継続申請をします。申請手数料等は、少し安くなります。

申請要件等について

店舗施設要件について

営業店舗の施設設備等について都道府県の条例で定められています。作業室や更衣室等の区画や厨房の床や壁の仕上げ材を不浸透性の材料を使用すること等、細かい部分の指定があるので計画段階で対応する必要があります。
営業の種類や店舗の収容人数等によっても規制が変わります。消防法に基づく「防火管理者」の設置が必要な場合等もあります。

申請者の欠格要件について

以下の要件に該当しないことが必要です。
・食品衛生法に違反し刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から起算して2年を経過していない。
・食品衛生法に違反し、許可を取り消された日から起算して2年を経過していない。

申請手数料について

京都市の場合は、以下のような手数料となっています。参考にして下さい。

  • 飲食店営業  ⇒ (新規)19,200円    (継続)14,400円
  • 菓子製造業  ⇒ (新規)16,800円    (継続)12,600円
  • 喫茶店営業  ⇒ (新規)11,600円    (継続) 8,700円      ※令和3年6月現在

風営法の届出が必要な場合

飲食店の営業に際し、深夜(0時から日の出時迄)は主に酒類の提供をして売上を作りたいとお考えの場合は、保健所の飲食店営業許可申請にプラスして、店舗を管轄する公安委員会(届出窓口は警察署)へ届出が必要となります。
届出の際に必要な書類は、以下の内容となります。
①深夜における酒類提供飲食店営業開始届出書
②営業の方法を記載した書類
③店舗の平面図
④個人経営の場合は、住民票(本籍記載)、法人経営の場合は、定款、登記事項証明書、役員の住民票、等

以上が、飲食店営業許可申請手続きについての概略の説明でした。
飲食店を開業しようとされている方、ご自身で営業許可の申請手続きをする際の参考にしていただければと思います。そして、忙しくて時間が取れないので、申請手続きについては、専門家に任せたいということであれば、いつでもご相談下さい。